今日はスポーツチャンバラサークルの新歓に参加した。5月に入り、多くのサークルが新歓を終える中、このサークルは長めに期間をとるようだ。
時期的なものもあるのか、今日の参加者はこれまでの新歓に参加したことがあるリピーター勢が多く、ここまでほとんどの日程に参加してきた僕からは見覚えのある顔ばかりだった。なんだかアベンジャーズの映画を見た時みたいな感動がある。
リピーターが多かったこともあり、今日は小太刀以外の武器種を多く扱っていた。長剣1本を両手で握る両手長剣と、盾をもつ盾小太刀、そして小太刀と長剣の二刀流で回り稽古(相手を入れ替えてたくさん対戦する稽古)から始まった。どの武器もあまり慣れていない分新鮮で面白い。両手長剣に関しては剣道に近く、慣れていてもいいのだが、守るべきところや、相手の動きが違うため、どうもやりにくい。剣が柔らかいのも結構大きな違いで、剣道では剣先で相手の剣の根元をズラすことで、最小限の動きで相手の攻撃を防ぐという技術があったのだが、スポチャンではそれをしても剣先がしなってしまい、防御としての効果はないのだ。反射的にこの動きが出るあたり、ある程度剣道人間になっていたんだなあ。
その後は団体戦となった。回り稽古で使った3種に加えてシンプルな小太刀と片手持ちでもよい長剣が追加され、5種の武器をそれぞれ分配し、勝ち抜き形式で戦った。順番の指定はなく、勝ち抜き形式なので必然的に異武器間での戦いとなる。これはなかなか面白いぞ。まずは小太刀を選んだ。5種の中では最も武器パワーの低い武器だが、逆にこれで勝ったらアツいだろうという目論見。こちらのチームの先鋒は二刀流のMくん。体験生の一人で、がっしりとした体つき、そして背も高い。二刀流は武器パワーが5種の中でも最大級に高いので、できれば複数人を倒してほしいところ。
と、思っていたら1人、2人と着実に敵を倒していき、気づけば5人抜きを達成して相手チームを粉砕していた。強すぎる…!笑 リーチと高さを活かして敵を牽制しながら、仕留めるのは長剣での足首薙ぎ払い。相手の攻撃を俊敏な動きでかわすこともできるため、攻められているように見えても最終的には勝ってしまうのだ。
チームメンバーを入れ替えて第2戦となった。今度はMくんは相手チームとなった。第1戦では全く出番がなかった僕だが、今度は二刀流で戦うことにした。Mくんの姿に触発されたというのもあるが、やはり二刀は男のロマンなのだ。この憧れは誰にも否定できないだろう。
僕は次鋒となった。こちらのチームの先鋒だった長剣持ちの子がやられて順番が回ってくる。相手は盾長剣。リーチは互角である。僕は小太刀を左手に、長剣を右手に持ち、左の小太刀で防御しながら、顔の横で構えた長剣で振り下ろしを狙うカウンター戦法をとった。これはここ数日でイメージしていた戦い方だ。リーチの探り合いが始まった。一応深くは踏み込まず、すぐにバックステップでリーチ外へ逃げれる位置をキープする。こちらも隙を探るが、相手が盾を持っている以上、長剣を防がれて後隙を狩られるリスクがあり、無理はできない。ここはフェイントで盾を無効化するしかないと判断した僕は高めに構えた長剣を振り下ろすモーションを見せ、相手がガード姿勢に入った瞬間に相手の足首を長剣で薙ぎ払った。まずは1勝。奇しくもMくんと同じ形になったな。
次の両手長剣は相手が振りかかったところを左手の小太刀でガードしながらそのまま体を内にひねって長剣の横振りを当てて倒した。さらに小太刀はリーチを活かして危なげなく勝利。ここまで3人抜き。いい感じかもしれない。
次は片手長剣が相手となった。こちら側が有利だが、シンプルな長剣同士の殴り合いになれば小太刀はあまり関係がなくなってしまうので、いかに小太刀でガードし後隙を狙えるかがポイントとなる。ところがこれが難しい。後隙を狙うには体を引きながらのガードでは次の攻撃が間に合わないので、相手の攻撃に対し、向かっていくような動きをしながらガードをしなければいけない。これは失敗したら死は免れないハイリスクムーブなのだ。なかなか踏み込みきれず牽制し合う時間が続く。
ここで残り15秒との声がかかった。実は各試合には1分の制限時間が存在しており、それが過ぎると両者敗退となるのだ。勝ち抜き戦なのでたとえば小太刀が防御に徹して相手の二刀流などと時間切れになれば、自分たちの犠牲は少なく相手の二刀流を消せるというチーム戦術要素があったのである。今僕は二刀流で相手が長剣である以上、ここで両者敗退となれば若干こちらのチームの損失となる。勝ちにいかねば。一旦試合が途切れて審判の号令と共に再開となった。剣道での学びとして、こういう中断からの再開の瞬間が一番攻撃が通りやすいというものがある。どうしてもいきなりスイッチは入らなりものなのだ。始め! の声とともに突進を仕掛ける。小太刀を前に突き出して申し訳程度に身を守り、軽くジャンプして足元への攻撃をかわせるようにしながら相手の面へ振り下ろす。決まった! ジャンピングスラッシュ! と思ったら審判からは相手が足へと同時に攻撃していたため相打ちとなっていたという。正直必死すぎてどうなったかの感覚はなかったが、残り時間が2秒のところから再開となった。もう攻めるしかない。またも開始直後に距離をつめ、もはや鉄板となってきた、面打ちフェイントからの足首打ち。なんとかギリギリで勝利となった。ふーう。
ついに相手の大将、Mくんが出てきた。今回も二刀流である。だいぶ二刀の扱いには慣れてきたが、相手も2本持っているのは初なのでそのあたりは探りながらだな。基本の戦い方は変えず、カウンターを中心にしようと思う。相手が足首を狙ってくることは分かっているので小太刀をひざ前あたりに下ろして構える。実際に足首を狙った打ちが飛んできたのでガードし後隙を狙う。しかし相手のリーチが長い分、かわされてしまう。これは今後ろ足にしている右足を前に踏み出しながら振ってリーチを稼がないといけないかもしれない。なかなかダイナミックな動きになるな。相手は前足を左右入れ替えながら形を変えて構えてくる。捉えどころがない。再び足首への攻撃が来た。ガードの直後に右足を踏み出しながら長剣を振り下ろす。踏み込みが甘かったのか剣先が相手の面をかすめて空振りとなる。ちょっとビビっているのかもしれない。自分から攻撃するのも考えだしていた時、相手の足首への攻撃が、これまでよりも低い軌道でやってきた。小太刀のガードの下を抜けた相手の剣は見事に僕の足にヒットした。くそー。流石に強いな。
その後は中堅で出ていった僕のチームの盾長剣の子が上手くカウンターを決め、Mくんを倒し、個人での連勝を6で止めて僕のチームの勝利となった。めちゃくちゃ面白かったな。濃い試合ばかりで、だいぶ頭も使った。やっぱり二刀流が楽しい。
自分にあった構えや戦法を見つけ、編み出すことができるという部分も剣道にはない部分で、奥が深くてやりがいとロマン溢れるスポチャンならではの要素なのだ。カウンターをもっと極めたいな。まだまだ精進は続く。