一記一遊ブログ

大学生活の中で起こった日々の出来事を日記形式で書き溜めていくブログ。現在1回生。

大学文書館(アーカイブズ)に潜入!

今日は大学のゼミナール形式の講義(少人数講義)の一環で、うちの大学に属している大学文書館、いわゆるアーカイブズに行ってきた。大学の様々な書類や資料が保存してある機関で、国から公文書館としての指定も受けている立派な場所だ。

そもそもアーカイブズとは

アーカイブズとは、企業や政府、学校で日々作成されるあらゆる書類のうち、現場での保存期間が終わったものを、選別、整理、保管する機関のことである。個人で作成、あるいは保管していた資料を寄贈されることもあり、様々な種類や内容の資料を扱う。保管されている資料は、歴史学者などが資料として活用するほか、訴訟が起きた時の事実確認にも役立つ。まず、海外を参考にして公文書管理法というものが作られ、歴史的な価値のある資料が失われたり、政府など公的な文書が不適切に扱われたりすることを防ぐための専門的な機関として設置することを決められた経緯がある。

日本独特の事情

ところが、現場での保存期間が終わった公文書全てがアーカイブズの管理下になる、あるいはアーカイブズの判断で処分される海外と異なり、日本では書類の管理において現場が圧倒的に力を持っており、アーカイブズに回されない書類も多いのだ。現場での管理期間が長いのもそうだが、現場で勝手に管理期間を延長したり、勝手に廃棄したりとなかなか大変である。大学の文書館でも、学部などによってアーカイブズへの協力具合が違うそうで、文系の学部が友好的であるのに対し、工学部や理学部などは絶対に提供しようとしないらしい。現場での使われ方やルールにもよるとは思うが、大学内での力関係がのぞけて面白い。

いざ、潜入!

重厚感があってデカい建物を想像していたが、そのイメージよりは実際は少し小さめだった。この大学文書館は、うちの大学の百年誌を作った際に集めた大量の資料を保管するために作られたのがきっかけらしく、他の建物の一部を間借りする形で続いていたのを、空いていたこの建物に移転したのだという。専用に作られた建物ではないんだな。それでもほとんどのスペースを書庫として確保しているため、規模としては大きい方なのだとか。

分厚い金属の扉が開けられると、そこには金属製のラックが並び、みっちりとフォルダが詰められていた。

完全に空いている棚も半分ぐらいあり、まだまだ余裕はありそうだ。無機的な、書店とも違う紙の匂いがする。地上2階地下1階の3階層あり、どの部屋も涼しく、さっぱりとした湿度だったな。良い状態で保存するためにしっかり管理してあるのだ。

フォルダの背には様々な内容が並ぶ。予算関係もあれば、名簿、入試の書類から不正の報告書まで。(↑の写真では中央部の「クリスマスカード」が圧倒的に気になるな…。)

こちらはかの有名な吉田寮関係の資料がまとめられている。「紛争関連資料」と名付けられているのが生々しい。下段のダンボールは、手前側の一面がパカっと開くようになっていて、中には書類が入った封筒がたくさん入っている。

高級機グライダーの「滅失」

今日の活動では、事前に検索システムで1つ資料をピックアップしておき、それを閲覧してみることになっていた。僕が選んだのは、「国有財産の滅失報告書 高級機グライダー ASK-13型 学生部」という資料。財産を滅失するといういかにもやらかし感が匂うタイトル。期待が膨らむ。本来個人情報保護のため、事前に個人名にマスキングテープが貼られるらしいのだが、今日は貼っていないため資料自体の撮影はできなかった。普段ならば撮りまくっていいそうだ。

どの資料も1点ものなので、慎重に開いてみる。フォルダには、6枚ほどの報告書と二つの別添え資料が入っていた。報告書は、偉い人の承認ハンコのページの後、グライダー部で管理していたグライダーが事故で大破し、失われてしまったということが報告されていた。その額、70万円。「高級機」と付くだけある値段だな。時代としては昭和62年で、報告書のフォントに少しだけ時代を感じた。紙の保存状態は流石に良かったな。

別添え資料の方は、もう少し細かい状況説明図や、法律関係の資料が入っていた。どうやら、駐機場に機体を固定していたのだが、最大瞬間風速30m/sもの強風によって固定具が外れ、ぶっ飛ばされた末に地面とぶつかりぶっ壊れたようだ。風上先頭に停められていたうちの大学のグライダーと、その隣の民間の機体も壊れたらしく、こちらは胴体がちぎれて折れ曲がるほど酷い壊れようだった。丁寧にイラストで説明されている。写真も何枚かついていた。こりゃダメだ…って感じの潰れよう。当時の部員は絶望しただろうな…。ちなみに写真はカラーだったぞ。褪せた色合いが少しカッコいい。

写真を撮れなかったので、イラストを再現してみた
これでは分かりにくいが、折れていない方の機体は上下がひっくり返っていて上側がひしゃげていた。

 

今日の活動としてはここで終了となったが、今後各自でアーカイブズを調べ、面白そうな資料をピックアップして発表するというものがあるらしい。資料の面白さは当たり外れが大きいらしいが、頑張って面白いものを発掘してみたい。